そもそも政策金利とはなんでしょうか?まずは政策金利の説明から、政策金利によってどの様に変わるのかをご説明します。
政策金利とは、世界の主要国の中央銀行が設定した現在の金利を表した数字になります。
金利により、その国の経済の健全性を評価することができる他、中央銀行は景気が拡大している場合、物価上昇率を押し上げるために利上げを実施する傾向があります。
そのため、不景気時には政策金利を低くする低金利政策が取られ、逆に好景気になった場合は経済が活性化して物価の上昇・インフレ傾向になるので政策金利が高くなる傾向になっています。
基本的に国の政策金利は、基本的には各諸国の中央銀行の総裁が決定します。例えば日本であれば中央銀行、日銀総裁、アメリカであればFRB(連邦準備制度準備会)の総裁に決定権があり、その決定した数字がその国の政策金利となります。
その為、各国の総裁の発言力は強く、公式な発表以外でも為替相場は大きく変動します。
ただし、国の経済を動かす中で中央銀行の独立は保証されていますが、各国の首相や総理大臣の影響や発言も政策金利を大きく左右する材料となります。
それでは主要な国々の政策金利を確認してみましょう。
国 | 通貨 | 単位=% | 中央銀行/通貨当局 |
---|---|---|---|
日本 | 円 | 0.10% | 日本銀行 |
アメリカ | 米ドル | 1.25% | 連邦準備制度理事会 |
EU | ユーロ | 0.00% | 欧州中央銀行 |
オーストラリア | 豪ドル | 1.50% | オーストラリア準備銀行 |
ニュージーランド | NZドル | 1.75% | ニュージーランド準備銀行 |
南アフリカ | 南アランド | 6.75% | 南アフリカ準備銀行 |
英国 | ポンド | 0.25% | イングランド中央銀行 |
カナダ | カナダドル | 1.00% | カナダ中央銀行 |
トルコ | トルコリラ | 8.00% | トルコ中央銀行 |
景気の動向や物価の上昇やインフレを抑える為に国は、政策金利を調整します。金利を上げることを利上げ、逆に下げることを利下げと言い、またその様にすることで国の経済の動向をコントロールすることができます。
利上げ、利下げの動向は為替相場だけではなく国の株式の市場までも左右するする程です。利上げをすることになれば、経済の動きに歯止めをかけることになるので、株式市場や消費などは下落傾向となります。
利下げとなれば、この逆のことが言えます。
なお、世界の経済は繋がっているため、アメリカで利上げの話が出ると、ニューヨークダウが連動して下落するので、次の日の日経平均も連動して下落し、その流れが世界中に浸透していくケースが度々見受けられます。
この様な理由から、利下げは国の方針が決まれば、すぐに行われやすいものの、逆に利上げとなればタイミングが非常に難しく、景気の動向を見極めてからの動きとなります。
日本を始めアメリカや欧州諸国などの経済大国は、世界経済の動きも把握しその動向を加味するので、政策金利はなかなか動かないことがほとんどですが、高金利のブラジル、トルコ、南アフリカ、ニュージーランドなどの国々は、政策金利の変動が経済大国に比べ非常に高くなります。
それぞれお景気動向の影響を受けやすいことから、利下げサイクルに入ると毎月(政策金利は毎月発表)0.20%~0.50%の中で利下げを一定数の目標まで行うケースが多い。
その他経済が軌道に乗ると逆にインフレ傾向に移る為、どんどん利上げをしていくケースも多く見受けられます。
また、自国通貨が景気の関係などで売られるケースとなると、通貨防衛のために利上げをしてくるケースもあります。
高金利通貨の金利はとても魅力的ですが、その半面経済大国ではないので不安定な部分もあります。